二百年、京の片隅から。
茶の湯の数寄、ひとつの形に。
文政八年、堀川一条にて。
文政八年(一八二五)、初代・吉晴は、晴明神社のほど近く、京の堀川一条の地に小さな店蔵を構えました。当初より店の構えは華美を求めず、土壁と一枚の暖簾、そして菓子の前に置かれた一椀の白湯。それが、お客様をお迎えする星屋吉晴の作法でございます。
創業の頃より商ってまいりましたのは、千家ゆかりの茶席に供される主菓子。茶人のお求めに応じ、季節ごとに姿を変える菓子を、ひとつひとつ手仕事で誂えてまいりました。
二百年を経たいまも、同じ町、同じ店蔵にて、同じ静けさのままに、菓子をお届けしております。
千家の茶席に、添えられて。
代々、千家ゆかりの茶人より、茶席の主菓子のお誂えを賜ってまいりました。濃茶の席に供する銘菓「朱華星」は、その厳粛な席にあって主客の心を結ぶ、星屋吉晴の威信を象徴する一品にございます。
茶事ごとに掛けられる軸、選ばれる花、そしてその日の空模様まで読み込み、菓子の意匠と色をひそやかに合わせる。これは家伝の流儀として、いまも現当主が筆を執り、菓子帖に書き残しております。
茶人の所望にお応えするためには、菓子そのものの妙だけでなく、菓子の置かれる「場」までを思い描く眼が要ります。星屋吉晴はその修練を、二百年欠かさずに続けてまいりました。
蔵の片隅に、ちいさな数寄を。
晴明神社界隈という土地柄でしょうか。星屋吉晴の菓子蔵には古くから、ちいさな天狗が棲みついて菓子づくりを見守っている、との言い伝えがございます。代々の主は、この言い伝えを「茶の湯の数寄」のひとかけらとして、口伝で受け継いでまいりました。
茶席の格式を尊びながら、香合の裏や掛軸の隅に、ふと愛嬌を忍ばせる。これが京の茶人の遊び心、すなわち「数寄」の作法にございます。
二百年の静寂のなかに、ひとつだけ。新しい時代に向けて、星屋吉晴はこの愛らしい守り神を、菓子のかたちに、また筆のかたちに、ささやかに添えてまいります。
歩みの軌跡
- 文政八年(1825)
初代・吉晴、京の堀川一条にて創業。
- 昭和初期
「京の静寂を遠方へ」と日持ちのする銘菓を考案。広く贈答品として愛される。
- 昭和六十年(1985)
二代目・吉晴を襲名。
- 平成二十二年(2010)
銘菓「朱華星」を復刻。
- 令和六年(2024)
「まんじゅう天狗」発売。
- 令和八年(2026)
公式オンラインの設えを整える。
京菓子司 星屋吉晴
- 所在地
- 京都市上京区堀川一条上ル
- 電話
- 075-XXX-XXXX
- 営業時間
- 営業時間 10:00 - 18:00 / 水曜定休
- ご案内
- 晴明神社のほど近く、堀川一条の店蔵にて。
京都・堀川一条
晴明神社のほど近く